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ハビタブル・ゾーンとは、太陽から一定の距離に
あり、生物が住むことができる範囲のことです。


ハビタブル・ゾーン

  
 私たちの太陽系には8つの惑星がありますが、そのうち生物が住んでいるのは地球だけです。その大きな理由は、地球が太陽から適当な距離を保っていて、その表面に豊かな海をたたえていることです。生命をはぐくむためには水が液体であることが必要です。地球の内側を回っている金星は、太陽に近すぎて、太陽から受ける光が強すぎ、表面の温度が400℃を超えて、水が液体ではいられません。一方、火星より外側の惑星は太陽から遠すぎて、太陽から受ける光が弱すぎ、水が凍ってしまいます。すると、生物が住める惑星は、太陽からの距離がある範囲内に収まっている必要があります。この範囲をハビタブル・ゾーン(住むことができる領域)と呼び、太陽系では図のような範囲です。地球はその範囲のなかで太陽に近い側にあります。
 ところで、ここ20年近くの間に、私たちの太陽系以外に、太陽のような恒星の周りをまわる惑星がたくさん発見されています。それぞれの恒星にもハビタブル・ゾーンが考えられますが、つい最近になって、ハビタブル・ゾーンに地球程度の大きさの惑星を持つ恒星も発見され始めました。私たちの地球以外に生命がいる可能性を探る上で重要な発見です。

案内役 美星天文台台長 綾仁 一哉(2013年7月掲載)