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猫墓のいわれ
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 高山寺こうざんじ和尚おしょうさんは、小春日和びよりあたたかいある日、客間で、
ひざの上の猫をなでながら読書をしておられました。
この猫は、まっ白で毛なみがよく、「玉雪」と名前をつけられ、
たいへんかわいがられました。和尚さんが猫に、
 「これこれ玉雪、おまえはおとなしく、しかもかしこくて、寺に
すんで幸せものじゃ。こんどは人間に生まれ変わるだろう。
そのしょうこに、人と話ができるのではっきりしている。」
と言われました。すると猫は、
 「それはありがたいことです。」と言って、たいへん喜びました。