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猫墓のいわれ
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 ある寒い日の夕方のことでした。だんかの法要ほうようをすませた和尚さんが、
急な坂道にさしかかると、一ぴきの猫が山の中から出てきました。やせ
おとろえてはいますが、和尚さんの目には「玉雪」とすぐわかりました。
 「玉雪ではないか。」
と、声をかけられると、玉雪は急に和尚さんに飛びかかり、ころものすそ
にかみつきました。いかりくるった猫は、次に和尚さんののどにかみつき
ました。
 ちょうど、そこを通りかかった百姓ひゃくしょうがかけつけ、まわりの人たちに
急いで伝えました。集まって来た人たちは、和尚さんをかいほうしましたが、
出血しゅっけつがひどく、ついに息を引きとられました。
 「さあ、猫たいじだ。」
と、多くの村人たちが手に手に棒を持ち、山がりをしました。山おくのくぼみに
かくれた猫を見つけた若者が、棒でたたいてとらえました。強く打たれた猫は、
まもなく死んでしまいました。
 その後、まもなくだれかによって、変わった形の墓がたてられました。
「猫墓」といわれるこの墓に、今もなお、盂蘭盆うらんぼん彼岸ひがんには、線香が
そなえられているそうです。