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でんぐら堂ものがたり
4
 半日ほど、日光にほされた残り飯は、どうやらすっぱいにおい
が消えて、ほし飯らしくなりかけました。そのとき、晴れわたった
西の空から急に黒雲があらわれ、みるみるうちに空一面をおお
い、大つぶの雨となってふりだしました。
外記も武兵衛もほし飯がどうなったかを心配しながら、急いで
帰ってきました。武兵衛が
 「おお、外気よ。おまえは、若殿があのほし飯を堂の中へかた
づけてくだされたと思うか、どうじゃ。」
と言うと、外記はふしぎそうな顔をして、武兵衛を見ました。
武兵衛は、さらに続けて言いました。
 「わしは、かたづけられなかったと思う。もし、あのほし飯を
若殿がかたづけられるようでは、殿様のねうちがない。外記、
お前はどう思う。」
外記は、ただ武兵衛を見るだけで、答えようとはしませんでした。
それもそのはず、若い外記は、腹がへって、ものを言う元気さえ
なかったのです。