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摺り袈裟と狐
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 和尚さんは、さわぐことなく寺男を部屋に呼んでじじょうを
聞くと、寺男は、
 「私は、この裏山にすむ古狐ふるぎつねでございます。伊豆いずに住む
一ぞくの狐から、あのふしぎな力のある摺り袈裟が、この寺に
おさめられたと聞き、ぬすんでいって、ころもをわが身にかけ、
人間に生まれかわろうと思い寺男にばけて住みこんだのです。
しかし、和尚様のがんりきによって、ばけの皮がはがされました。
和尚さま、一生のお願いです。あの袈裟をかけてくださって、
成仏じょうぶつできるようお願いいたします。成仏できましたら、その
お礼にこの寺の鎮守の神となって、いつまでもお寺をお守り
いたします。」
といいました。和尚様は、心よくこの願いをかなえてやりました。