公開日 2017年02月03日
最終更新日 2017年02月08日
- 平安老母
- 1949年(昭和24年)
- 木彫彩色
この作品は、東京九段にある筆屋の老舗・平安堂をおこすもとになった岡田ウメをモデルにしたものです。息子の久次郎から亡母ウメの座像を依頼され制 作し、院展に出品しましたが好評で、同型のものが李王家に買い上げられました。この作品も同じポーズですが、江戸小紋の着物がわずか異なる程度です。
岡田ウメは、京都今出川の書画骨董商・近江屋に生まれたせいか、読書に親しみ、書を習い、和歌・俳句を作り、絵を描くなど多趣味な人でした。この像は写真数枚を見て制作したものと思われますが、手に読みかけの小冊子を持っているのがいかにもふさわしく、よくその真髄をとらえた作品です。