公開日 2017年02月16日
最終更新日 2017年02月21日
過去の特別展
特別展「広重と北斎の東海道五十三次と浮世絵名品展」
-歌麿・写楽から幕末バラエティーまで-
会期
平成23年6月25日(土)~平成23年8月16日(火)
会場
井原市立田中美術館
休館日
月曜日
特別開館 7月18日(月)・8月15日(月)
ただし、7月18日の振り替えとして7月19日(火)は休館します
入館料
- 一般 :700円(560円)
- 65歳以上 :350円(280円)
- 高校生以下:無料
※( )内は団体20名以上の料金
内容
徳川将軍が治めて50年余、元禄の頃でしょうか。17世紀後半の江戸時代に生まれた浮世絵は、18世紀後半には多色版彩色による精巧で華麗な「錦絵」となり、太平の世を謳歌(おうか)する庶民の芸術として花開きました。
幕末まで200年にも及ぶ浮世絵の歴史は、ただ江戸時代の文化を伝えるだけでなく、日本を代表する美術作品として、印象派をはじめとする世界の芸術に大きな影響を与え、現在に至るまで世界各国に多くの愛好者を得ています。

歌川広重 《東海道五拾三次之内 日本橋》
本展は著名な浮世絵蒐集家である中右 瑛(なかう えい) 氏のコレクションで構成されています。
歌川広重の傑作で、現代人にはお茶漬け海苔の景品でも親しまれた《東海道五拾三次》(天保5年・1834年刊/横長の構図)を55枚全点揃えました。

喜多川歌麿 《美人五面相 実があり相》
刷り、彩色ともに優品であるそれを軸にしながら、広重の晩年作《五十三次名所図会》(縦長の構図)、小さな画面で挿絵のような葛飾北斎の《東海道五十三 次》(享和4年・1804年作)、大正時代に撮影された、広重の取材した場所と構図の写真の4画面を対比させながら、浮世絵風景画の魅力に迫ります。
さらに浮世絵の多彩な魅力を知るにふさわしい美人画、役者絵、ダイナミックな構図の妖怪絵、ユーモラスな寄せ絵の代表作から歌麿、写楽、国芳、芳藤の名品を含む、62点を加えました。
全ての展示作品は227点。
浮世絵は大判でも39cm×26.5cm。小判ではほんの19.5cm×13cm。
小さな画面ながら細部まで目を凝らせば凝らす程、面白い小宇宙とも言えます。
本展ではできるだけ細部が見えるよう、会場の壁面にはボードを吊り、展示ケース内には傾斜台を設置するなど、展示に工夫を凝らしました。
木彫の美術館である田中美術館で、木版芸術の粋(すい)、江戸時代の華である浮世絵をお楽しみ下さい。
出品作品、展覧会構成
(1)歌川広重《東海道五拾三次》(天保5年・1834年刊/横長の構図) 55点
(2)歌川広重《五十三次名所図会》(晩年作/縦長の構図) 55点
(3)葛飾北斎《東海道五十三次》(享和4年・1804年作/小品) 55点
(4)大正時代撮影の風景写真
(5)美人画、役者絵、妖怪絵、寄せ絵の代表作から
歌麿、写楽、芳藤、国芳の作品を含む 62点
合 計 227点
作品の紹介
- 歌川広重
《東海道五拾三次之内 庄野》
- 歌川広重
《東海道五拾三次之内 御油》
- 歌川広重
《大橋あたけの夕立》
- c歌川広重
《五十三次名所図会 日本橋》
- 歌川国芳
《相馬の古内裏 滝夜叉姫》
- 歌川豊国
《三浦荒男之助 市川団十郎》
- 歌川芳藤
《子猫あつまって大猫となる》
- 東洲斎写楽
《四代目岩井半四郎の乳母 重の井》
- 葛飾北斎
《冨嶽三十六景 尾州不二見原》
- 勝川春英
《雷電》
※このページでは、葛飾北斎の「葛」の字をプラウザで表示可能な文字で代用しています。正しくは「くさかんむり+曷」の字になります。「葛」の字の下の部分に入っているのが、“ヒ”でなく“Lに人”です。漢字の辞典類では「くさかんむり+曷」が正しい字とされてきました。