本文
釣隠
- 釣隠(ちょういん)
- 1961年(昭和36年)
- 木彫彩色
ゆうゆうと糸を垂れ釣りをする太公望呂尚を表しています。太公望は中国古代の王朝、周の時代の賢人で、はじめ渭水のほとりで釣りをして世を避けていましたが、文王に認められ文王、武王の二代に仕えた優秀な功臣です。太公望が釣りをしていたことから「太公望」は素人の魚釣りの代名詞のようにいわれます。
この作品を制作した年に院展の彫塑部が解散していますが、この頃になると大作「鏡獅子」も完成しており展覧会の出品などもあまりなく、世間的な束縛からぬけた自由な創意をもって制作に取り組んでいます。