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島守
更新日:2024年2月28日更新
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- 島守
- 1928年(昭和3年)
- ブロンズ
田端あたりに住んで、おでんを売り歩いていた老人をモデルに制作しています。
身なりは汚く髪も髭も伸び放題、羽織りの裏がほどけてばらばらになったものをまとい、拾った棒をつえにしてじっと座っている姿が面白く、彫刻にしたといいます。身寄りのない孤独な姿が、人生の寂しさを感じさせて、「島守」と題したのでしょう。彫刻としての造形は堅固で、押しても引いても倒れないような作品です。この堅固さは、大正期に熱心に取り組んだ彫塑研究の成果であろうと思われます。