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蕉翁像
更新日:2024年2月28日更新
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- 蕉翁像
- 1962年(昭和37年)
- 木彫彩色
この作品は、江戸時代前期の俳人松尾芭蕉をモデルにしています。各地で遍歴して歌を詠み、さびや軽みを旨とする蕉風の俳諧を確立した人です。この作品の飾らない、丸みを帯びたフォルムが、幽玄、閑寂な芭蕉の境地をよくあらわしているように思えます。
田中の作風は、時期を区切りながらその都度かなりはっきりとした性格をもっていましたが、この作品を制作したころは、「鏡獅子」を中心に、そのような展開にこだわらなくなり、むしろ思いつくまま自由に制作している様子が感じられます。