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姉娘
更新日:2024年2月28日更新
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- 姉娘
- 1928年頃(昭和3年頃)
- 木彫
田中には3人の子どもがいましたが、この像は長女の幾久代(きくよ)をモデルにしたものです。当時、平櫛家にはラジオがなく、隣家のラジオの音を、耳をすまして聴いているところです。
大正14年、3人の子どもは次々に胸を病んで倒れました。翌年の春、幾久代の容態が悪化したので、療養のため神奈川県平塚に家を借り、田中は看病にせいをだしました。しかしそのかいもなく、その年の9月、幾久代は二十歳の若さで死去します。色白の美しい娘でした。