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春季特別展「木のぬくもり」―相生森林美術館 名品展―
過去の特別展
春季特別展「木のぬくもり」―相生森林美術館 名品展―
会期
2004年4月23日~6月6日
内容
木を素材とした現代の彫刻、近現代の版画など木のぬくもりを感じさせる作品で、徳島県の相生森林美術館の所蔵作品49点を展示しました。
日本の彫刻の代表的な素材として、木をあげることができますが、木は古くから、彫刻はもとより、日本人の生活に密着してきました。日本における木の使用の比率は、彫刻に限らず建築や身の回りの工芸品や生活用品全般で圧倒的でした。
この展覧会では、第二次世界大戦後に制作された作品が中心であり、抽象彫刻が主流でした。具象から抽象への変化は、彫刻の表現が広がったととらえることが出来ますし、一方では、彫刻概念の変化ともとらえられます。また、このような変化を彫刻という概念のみでとらえるのではなく、木を素材とした新しい立体造形とも言えるでしょう。
この展示には、平櫛田中賞受賞作家の作品も含まれますが、平櫛田中賞は、田中が百歳を迎えた時、自らの浄財を寄附して若い彫刻家を育成したいという気持ちから設けた賞です。田中は後輩の育成に熱心で、展覧会に出品された後輩の作品を、援助のため買い上げることもありました。本展では、木彫に情熱を傾けた田中の意志を受け継いだ彫刻家たちの作品をご覧いただきました。
主な出品作品
- 植木茂「トルソ」
- 神山明「今夜は月が出ていますか」
- 澄川喜一「そりのあるかたち’93」
- 鈴木実「家族の肖像」
- 建畠覚造「CLOUD‐21」
- 建畠朔弥「アイルコンポネント2」
- 豊福知徳「構成’85」
- 畦地梅太郎「山の家族‐73」
- 石井柏亭「東京十二景 新ばし」
- 恩地孝四郎 「新東京百景 九段薄暮」など