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第24回平櫛田中賞受賞記念「石松豊秋展」~夜想曲~
過去の特別展
第24回平櫛田中賞受賞記念「石松豊秋展」~夜想曲~
会期
平成21年10月2日(金曜日)~平成21年11月15日(日曜日)
休館日
月曜日(ただし、10月12日(月曜日)は開館、10月13日(火曜日)は休館)
入館料
- 一般:700円(560円)
- 65歳以上の高齢者:350円(280円)
- 高校生以下:無料
※( )内は前売券・団体20名以上の料金
前売券は、ローソン、チケットぴあ等で9月上旬より販売いたします。
内容
井原市が生んだ近代木彫界の巨匠・平櫛田中(1872―1979)が百寿の際、彫刻界の発展を願い、自らの浄財の寄付によって設けた「平櫛田中賞」は本年で24回目を迎えました。
石松豊秋氏は、1942年福岡県北九州市に生れます。上京し、国立西洋美術館でロダンの彫刻に深い感銘を受け、彫刻家を志します。1975年東京芸術大学大学院彫刻専攻修了、翌年には同大学彫刻科研究生を修了します。同年より1978年まで同大学彫刻科助手を務め、1973年より新制作協会展に出品、1981年には新制作協会会員に推挙され、現在まで出品を続けています。
2003年には、新宿パークタワーのギャラリー1にて大規模な回顧展を開催しています。2008年3月には、23年間勤務した成蹊小学校美術科教諭の職を辞し、制作に専念します。
石松氏の言葉に「(前略)制作の上で、50才を過ぎた頃に何か疲れの様な虚無感を覚え、何か彫刻の持つ魅力の重圧に押し潰されそうな感覚がありました。その時期に開き直りといったものでしょうか、もっと楽しくできるようなことを考え、『letitbe』、あるがままに、自分らしく制作する心境が生れました。」とあります。この頃より作風は次第に具象化して、1996年頃からトンボを制作、次第に昆虫から動物へと移行し、山羊や兎など、生命を題材にした作品が登場しています。生命の強さと弱さをあわせ持ったはかなさ、美しさ、神秘性などを見てとることができます。作風は詩的で、タイトルとあいまって物語性が感じられます。
彫刻の流れるような、なめらかな曲線を意識した作品は、木彫の強みを生かし、木片を組み合わせて、理想の曲線を生み出しています。一貫して木にこだわり制作されている氏の作品の魅力とも言えます。「繊細さと大胆さがうまく噛み合って味わい深い」氏の魅力あふれる自選の作品群を、ご鑑賞ください。
記念講演会
日時 平成21年10月2日(金曜日) 午前11時~12時
会場 井原市民会館 鏡獅子の間
講師 第24回平櫛田中賞受賞者 石松豊秋 氏
演題 「私の彫刻」
作家によるギャラリートーク
日時
平成21年10月24日(土曜日) 午後3時~
平成21年10月25日(日曜日) 午前10時30分~
会場 特別展展示室
講師 第24回平櫛田中賞受賞者 石松豊秋 氏
ギャラリートーク
日時
平成21年10月18日(日曜日) 午後1時30分~
平成21年11月4日(水曜日) 午後1時30分~
会場 特別展展示室
講師 当館学芸員による
展示作品
月の柱(2002)
月と兎(2001)
Hood(2006)
夢(2006)
夢(2003)
標本空間-華(1998)
山羊の四角(1998)
野の雨(2000)
木片の周辺(2005)
明かり先(2007)