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春季企画展「刀(とう)の芸術」~人間国宝 宮入行平(みやいりゆきひら)の名刀を中心に~
過去の特別展
春季企画展「刀(とう)の芸術」~人間国宝 宮入行平(みやいりゆきひら)の名刀を中心に~
会期
平成22年3月27日(土曜日)~平成22年6月27日(日曜日)
休館日
月曜日(ただし、5月3日は開館、5月6日は休館)
入館料
- 一般:400円(300円)
- 65歳以上の高齢者:無料
- 高校生以下:無料
※( )内は団体20名以上の料金
内容
近代彫刻界の巨匠・平櫛田中(1872-1979)は、多くの美術品を蒐集していました。
そのコレクションは、日本の古い仏像、近代の彫刻、日本画、陶器、拓本、中国絵画、刀など多岐に渡ります。手元に置いて愛でるだけでなく、自分の勉強のためにと、日常の制作の糧にしました。
本展覧会では、田中が旧蔵していた日本刀、彫刻刀を中心に展示いたします。古名刀や制作の参考にしたと思われる新刀の中でも、重要無形文化財保持者(いわゆる人間国宝・1963年認定)で、戦後日本を代表する刀匠である宮入行平(1913-1977・本名堅一(けんいち)・初号昭平(あきひら))の作はひときわ目を引きます。
宮入行平は長野県埴科(はにしな)郡坂城(さかき)町で、農具や刃物作りをする鍛冶屋の家に生まれました。1937年上京、栗原彦三郎主宰の日本刀鍛錬伝習所に入門。よい刀を作るにはよい鉄を作ることが必要と考えた宮入は、古い兜、古釘などの鉄を混ぜるなど、さまざまな工夫を行いました。また、様々な古名刀の写しを制作し、地鉄と刃文の研究を深めていき、備前伝に始まり、山城伝、相州伝を次々と究めました。
平櫛田中とは彫金家・後藤年彦を通して小さなお守り刀を依頼したのが縁で親交が始まり、宮入が64歳で逝去するまで絶えることはありませんでした。田中は、宮入の純朴で真剣な人柄を愛し、自らの依頼に応えて鍛刀された井原市・甲山八幡宮への奉納刀を「無論将来国宝とて相成銘刀」と絶賛しています。
本展では、宮入行平の名刀と共に、田中との親交を知ることができる宮入作の彫刻刀、書簡、並びに田中の眼を通して選ばれた古名刀などを展示いたします。
展示作品等
刀剣 8振、書4点、書簡 5点、草稿文章 1点、彫刻刀 19点、写真パネル3点 計 40点
宮入行平作「鐵之華」
剣 宮入行平 制作年不詳
小太刀 宮入行平 昭和40(1965)年
宮入行平
宮入行平作 平櫛田中彫刻刀
平櫛田中と宮入行平 昭和41年頃
講演会のご案内
- とき 平成22年5月16日(日曜日)14時30分~16時
- ところ
井原市民会館 鏡獅子の間
(井原市井原町311-1) - 講師 岡山県立博物館 主任学芸員 佐藤寛介先生
- 演題
「人間国宝 宮入行平刀匠の世界」
(みやいりゆきひらとうしょう) - 聴講無料、申込不要
※皆様お誘い合わせの上、ご来場ください。
- 主催 田中美術館友の会