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慶典読書奉仕
更新日:2024年2月28日更新
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- 慶典読書奉仕(けいてんどくしょほうし)
- 1937年(昭和12年)
- 木彫彩色
この作品は東洋史学の開拓者・市村さん次郎(いちむらさんじろう)博士が、昭和8年、皇太子ご誕生の際の浴湯の儀(誕生7日目に入浴のあと、日本書紀の一節を朗読するなどして健康を願う儀式)において日本書紀を読み上げる晴れがましい姿です。
目じりのしわや指の爪まで彫り描くという徹底した写実性と、コスチュームの単純化された平面性があいまってモデルの個性的な顔立ちをよりいっそう引き立てています。田中の充実期を代表する名作で、その風格、気品に作者の円熟ぶりがうかがえます。