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烏有先生
更新日:2024年2月28日更新
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- 烏有先生
- 1935年以前(昭和10年以前)
- 木彫
「烏有」とはいずくんぞあらんや、つまり何もないという意味です。
モデルは人力車夫の田畑達三という人です。剣道の達人で刀剣の鑑定にたけており、江戸幕府15代将軍・徳川慶喜に仕えていました。明治維新後は官吏にもなれず商売もできず人力車夫になっていました。
田中はこの老人と親しく交際しているうちに興味を覚え、この作品ができました。
彫塑の研究に熱心に取り組んだ後の作品であり、この後作家としての充実期を迎えます。