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禾山笑
- 禾山笑
- 1914年(大正3年)
- ブロンズ
田中は明治31年、上野の長安寺に間借りしていましたが、その年の暮れに近所の寺に禾山和尚の提唱を聞きに行ったことが、その後の田中の精神形成に大きな影響を与えています。
西山禾山は愛媛県出身の臨済禅の偉材で、難しい仏教の教えを自分の体験を盛り込んでやさしく説いたため、相撲取りから政治家まで多くの人が参禅にかけつけたといいます。この像は後になってから制作したものですが、いすに腰かけ両ひじをはって後ろにのけぞりながら、大口を開けて大笑するポーズで、禾山の豪放らいらくな風格をよくあらわしています。