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幼児狗張子
更新日:2024年2月28日更新
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- 幼児狗張子(ようじいぬはりこ)
- 1911年(明治44年)
- 木彫
田中には三児があり、二番目が長男の俊郎でした。この像は、張子の狗をもって遊んでいた俊郎が、こっちの方のものが欲しくて狗を放り出し、手を伸ばしてねだっているところです。
当時、田中は初期の身辺彫刻から仏教彫刻に情熱を傾けていたころですが、愛児の遊ぶ姿を見て、かわいくてたまらず数年ぶりに作ったものであろうと思われます。見る者の心に、作者の愛情がひしひしと伝わってくる味わい深い作品です。