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平櫛田中について
平櫛田中について
平櫛田中(1872~1979)は岡山県井原市に生まれた、近代日本を代表する彫刻家です。
本名を倬太郎(たくたろう)と言い、田中家から平櫛家に養子に入ったのち、田中(でんちゅう)と号しました。107歳でその生涯を閉じるまで、明治・大正・昭和の三代に渡って活躍しました。岡倉天心と西山禾山に思想的な影響を受け、伝統的な木彫技術と西洋の彫塑を学んだ田中の作品は、観る者を引き込む緊張感と、人間味あふれる豊かな創造性を持っています。なかでも井原地方の古い伝承に基づく《転生》(東京芸術大学大学美術館蔵)や、六代目尾上菊五郎をモデルに約20年の歳月をかけて完成した《鏡獅子》(東京国立近代美術館蔵、国立劇場展観)は、こんにち平櫛田中の代表作として知られています。
年代 | できごと |
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明治5年2月23日 | 井原市に生まれる |
明治26年 | 大阪の人形師・中谷省古(せいこ)に学ぶ |
明治30年 | 上京。翌年、高村光雲を訪ね、教えを受ける |
明治40年~大正2年 | 岡倉天心の指導を受ける |
昭和12年 | 帝国芸術院会員となる |
昭和19年 | 東京美術学校(現東京芸術大学)教授となる |
昭和29年 | 文化功労者となる |
昭和33年 | 《鏡獅子》完成 |
昭和33年 | 井原市名誉市民となる |
昭和37年 | 文化勲章を受章 |
昭和40年 | 東京芸術大学名誉教授となる |
昭和46年 | 平櫛田中賞設立 |
昭和54年 | 12月30日逝去(107歳) |