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田中苑
田中苑の風景→
楷の木→
市民の憩いの場となっている田中苑(でんちゅうえん)は南斗山(なんとざん)の東斜面を背景にした5,240平方メートルの日本庭園で、平櫛田中翁から名づけられた公園です。
東京・北の丸公園内にある池や岡山市の西川緑道公園を設計した造園家・環境デザイナーの伊藤邦衛が手がけました。
ここには、田中翁の代表作である「鏡獅子」をはじめ「岡倉天心先生像」、「西山公」、「良寛来」、「長寿明王」の5つのブロンズ像を配し、多くの人が美術に親しめる様、田中美術館と一体化した文化ゾーンになっています。
苑内には、「黒松」や「桜」、「もみじ」や「サツキ」など様々な樹木と草花があり四季を通して楽しめます。特に春は桜が見物で、代表的な「ソメイヨシノ」「シダレザクラ」が長い間楽しめます。桜の後は「ツツジ」、「サツキ」へと移り変わり、初夏の新緑、秋には紅葉へと四季折々の変化を見せてくれます。
中でも「楷(かい)」の木は、儒学の祖、孔子の御霊がまつられた中国の孔子廟に植樹したことから学問の木と言われ、秋には鮮やかに紅葉します。
苑内の一角には、市制施行30周年記念として建てられたモニュメント「飛翔」があります。これは、田中賞選考委員の澄川喜一氏(元東京芸術大学学長、東京スカイツリー監修)の作品で飛躍する明日の井原市をイメージしています。
一方、市民茶室は茶の文化の拠点として大勢の人に自然の中で茶の湯を楽しんでもらおうと造られました。田中翁にちなんで「不老庵」と名づけられたこの本格的な茶室は、流派を問わず多くの愛好者が利用し、伝統文化の向
上に一役かっています。
滝から流れる清水は、小川に自生したコケやシダ類、クレソン等を育て、鏡獅子の周囲に作られた堀に流れ込んでいます。この堀では、コイが悠々と泳ぎ、市民の目を楽しませてくれます。
田中苑は、人と車が共存できる県下で初めてのコミュニティー道路により安心して四季折々の自然が楽しめる数少ない憩いの空間です。