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市議会市長提案説明(令和4年2月市議会定例会)

ページID:0002352 更新日:2024年2月28日更新 印刷ページ表示

令和4年2月28日(月曜日)

令和4年2月市議会定例会市長提案説明要旨

令和4年2月市議会定例会市長提案説明要旨の画像

 本日2月市議会定例会をお願いいたしましたところ、議員の皆様方にはご多用の中、ご出席を賜り、厚く御礼を申し上げます。

 本市議会定例会におきましてご審議をお願いいたします案件は、既にご案内をいたしておりますが、議案の説明に先立ち、市政運営の基本方針と主要施策の大綱につきまして、私の所信の一端を申し述べ、議員並びに市民各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 まず、令和4年度当初予算の編成概要であります。

 本市の令和4年度予算案につきましては、厳しい財政環境やコロナ禍の中にあっても、「将来を見据えた元気なまちづくり」に向けて、本市のまちづくりの指針となる「井原市第7次総合計画」、「第2期 元気いばら まち・ひと・しごと創生 総合戦略」等に掲げる各種事業を着実に推進するとともに、「将来にわたり持続可能な財政運営」の確立を図ることを基本に予算編成を行ったところであります。
 特に、「井原市第7次総合計画 前期基本計画」の総仕上げとして、「ふるさといばら」の地域資源を活かしながら、元気な地域づくり、本物の魅力発信、暮らしの質の向上を目指すこととしており、「ポストコロナ社会」の中にあっても、市民と行政との協働や民間との連携強化により、将来にわたって夢を抱ける「元気なまちづくり」を推進することとしております。

 まず、「ひとづくりのまち井原」として、本市の未来を担う「井原“志”民」の育成に向けて、学校・家庭・地域等が一体となり「ふるさと井原の未来を創るひとづくり事業」を中心とした関連施策を多角的に展開するとともに、「学校施設長寿命化事業」や「田中美術館新館建設事業」「美星公民館整備事業」等を推進するなど、教育・文化の充実を図ることとしております。

 また、足腰の強い地場産業の育成や本市への新しい人の流れの創出に向けて、従来の経済・雇用対策及び移住・定住対策事業をリニューアルし、新たな「商工業成長支援事業」「移住定住対策事業」を展開するとともに、市内外への情報発信を充実・強化するほか、「星空保護区」の認定を契機とした観光振興・交流促進による地域活性化を図ることとしております。

 さらには、安心して子どもを生み育てられる環境を整備するため、引き続き、本市独自の「出産・子育て支援策」を幅広く展開するほか、地域医療の確保に向けて新たに「周産期・小児救急医療学講座」に取り組むこととしております。また、地域のデジタル化や災害に強いまちづくりに向けて「地域情報通信基盤再構築事業」等を推進するなど、魅力的で住みよい地域づくりに資することとしております。

 なお、新型コロナウイルス感染症への対応では、「ワクチン接種事業」をはじめとして、児童福祉施設等における「感染症対策」や地域の消費喚起を促すための「経済対策」など、様々な施策を講じることとしております。

 その結果、一般会計当初予算額は、前年度当初比5月7日%増の230億4,500万円となっております。
 また、特別会計は、国民健康保険事業など5会計で115億4,690万円、企業会計は、水道事業会計などの5会計で、85億9,380万4千円となっており、合計で予算総額は、431億8,570万4千円となったところであります。

 それでは、施策の基本方針につきまして、井原市第7次総合計画に定める4つの基本目標に基づき、順次申し述べてみたいと思います。

 基本目標の初めは「伝統、文化が引き継がれ、郷土を愛する人が育まれるまちづくり」であります。

 まず、学校教育についてであります。
 市内小中学校の全児童生徒に配備した、タブレット端末の活用にあたり、ICT支援員による教員へのサポート体制の充実を図ることにより、ICT機器を積極的に活用した学習をさらに進め、児童生徒一人一人の確かな学びを推進してまいります。
 また、児童生徒の個性や特性に応じたきめ細かな支援や指導が行えるよう、学習支援員を市内の全小中学校に配置し、全ての子どもたちが落ち着いた学校生活を送り、学習に取り組むことができるよう努めてまいります。

 次に、学校施設関係についてであります。
 令和2年度から実施しております「木之子中学校特別教室棟改築事業」は、本年度中に北校舎の増築工事を終え、来年度は南校舎を解体し、その場所にトイレ・部室棟の建設を行うほか、防球フェンスの増設などの外構工事を行い、全ての工事を完了する予定としております。
 また、急速に老朽化が進む学校施設の維持管理につきましては「学校施設長寿命化計画」に基づき、改修を進めていくこととしております。
 さらに、幼稚園につきましては、オンラインによる職員研修などの園務の効率化や他園との園児交流が図れるよう、Wi-Fi環境の整備をする予定としております。

 次に、生涯学習の推進につきましては、本年度からの継続事業であります美星公民館の建設工事を進めてまいります。
 また、平成30年3月に策定した「井原市第3次生涯学習基本構想・基本計画」につきまして、国・県の生涯学習施策の動向や本市の生涯学習をとりまく環境、ニーズの変化を踏まえ、計画の改訂を行うこととしております。

 文化活動の充実につきましては、市内の語りの会が収集した井原市に伝わる民話や言い伝え、昔のくらしについて編集した民話集『井原の民話 昔むかし』を発刊いたします。地域に残された貴重な文化遺産を後世に伝えるとともに、民話集を学校や幼稚園などで活用することにより未来を担う子どもたちの郷土愛の醸成につながればと考えております。

 次に、昨年4月に着工した田中美術館新館建設工事につきましては、10月の完成を目指して引き続き工事を進めております。竣工後は所蔵作品の戻し入れ、備品搬入などの準備を進め、来年4月のリニューアルオープンを予定しております。
 また、建設工事とあわせて、田中苑の改修工事として、苑内遊歩道の新設及びバリアフリー化や眺望を考慮した樹木伐採、照明のLED化などを行う予定であります。美術館と一体的な整備をすることで相乗効果が期待され、文化ゾーンのさらなる魅力アップにつながるものと考えております。

 次に、スポーツ活動の充実につきましては、「井原市スポーツ推進計画 第3期」の策定に向けて、現行の計画の見直しを行うとともに、生涯スポーツ及び競技スポーツの振興を図ります。

 

 基本目標の2番目は「地域の宝を生かし、魅力がいっぱいで、活力にあふれるまちづくり」であります。

 まず、「経済・雇用対策事業」についてであります。
 平成25年度から実施しております、いわゆる「イバラノミクス」の各事業につきましては、この度見直し・再編を行い、「稼ぐ力の向上」や「賑わいや新たな雇用の創出」のさらなる促進により、地域経済の成長発展を図るため、新たな支援メニューである「元気いばら商工業成長支援事業」として創設し、計12事業を展開することとしております。

 また、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける経済対策・事業者支援としましては、好評であった「元気応援いばらプレミアム付商品券事業」を再度実施するほか、「感染症対策リフォーム補助金」の創設等により、市内での消費喚起や地域経済の活性化を促すこととしております。

 次に、昨年2月に本市出身の川上眞澄(かわかみ ますみ)氏から受けました寄附金の活用方法についてであります。
 寄附者の意向に沿った内容とするため川上氏と協議を進めておりましたが、この度、計画性を持って新規創業する者の資金調達を支援する事業を行うこととなりました。
 このことにより、寄附金の用途を明確化し運用する必要が生じたことから、川上氏が代表取締役を務めておられます創真(そうしん)株式会社から名前を頂戴した「創真創業支援基金」を設置し、財源に充当したいと考えております。
 つきましては、本定例会に関連議案を提出しておりますので、ご審議の程よろしくお願いいたします。

 次に、企業立地に向けた取り組みについてであります。
 稲倉産業団地開発事業につきましては、団地造成工事を12月に完了し、周辺道路工事も年度内に完了の見込みとなっており、来年度早々にオカモト株式会社と土地売買契約が締結できるよう手続きを進めております。今後も、引き続き同社の事業所の建設及び操業が円滑に進むよう、協力して取り組んでまいります。
 また、来年度は市南部地域において企業用地として開発可能な候補地の調査を行い、新たな企業立地に向けて取り組んでまいります。

 次に、農林業の振興についてであります。
 農産物のブランド力の向上と流通促進につきましては、現在実施しております「冬ぶどう品質向上推進事業、流通促進事業」と、「明治ごんぼう産地確立支援事業」を統合し、本市の特産農産物について、総合的なブランド力の向上を図るとともに、新たな付加価値のある農産物のブランド化にチャレンジする農業団体等の支援にも取り組んでまいります。
 さらに、本市の次世代の農業を担う新規就農者の確保を図るため、農業後継者就農奨励金交付事業をはじめ、農業次世代人材投資事業など、新規就農者の財政的支援を継続してまいります。
 農業安定経営のための支援策につきましては、引き続き、地力回復・維持・強化を図るためのバーク堆肥購入補助や、経営規模の拡大推進と農地の荒廃を防止するための農地流動化助成などにより、農業の活性化を図ることとしております。
 有害鳥獣対策につきましては、被害防止計画の推進を図るとともに、有害鳥獣による被害軽減や駆除班による捕獲効率を上げるため、新たに、専門家による現地指導及び講習会を実施することとしております。
そのほか、捕獲柵、防護柵の設置や新規狩猟免許取得に対する助成など、有害鳥獣対策を行う人への支援を引き続き実施してまいります。
 農業用施設では、令和3年7月豪雨で被災した、芳井町宇戸川地内の広域営農団地農道 井原芳井の災害復旧事業の実施をはじめ、農業用施設の維持管理に努め、農林業の生産性の向上を図るための基盤整備についても、積極的に行ってまいります。

 次に、観光の振興についてであります。
 コロナ禍にあり、産業まつりや桜まつりなどの各種観光行事につきましては、「三つの密の回避」や「人と人との距離の確保」などの感染防止策を講じることが困難なことから、関係団体とも協議し、令和4年度もやむを得ず開催中止の判断をしたところであります。
 そうした中にありましても、新たな働き方として、豊かな自然に囲まれた地方で働くことへの関心が高まっておりますことから、昨年に引き続き大都市圏の企業をターゲットとしたワーケーションモニターツアーの実施など、国や県の事業とも連動しながら新たな関係人口の創出に取り組むこととしております。

 また、本年7月から9月にかけて開催されます「岡山デスティネーション キャンペーン」では、期間中の全県的な企画案として「夏の星空の活用」が発表されておりますことから、本市としましても「星空保護区・コミュニティ部門」に認定された美しい星空のブランド力を生かしつつ、魅力ある観光コンテンツの提供に努めてまいります。
 さらには、美星町観光協会が中心となり立ち上げられた産学金官民で構成する「星の郷まちづくりコンソーシアム」との連携により、観光誘客の促進や消費拡大など、地域活性化に取り組むこととしております。

 次に、本市の魅力発信についてであります。
 ウィズコロナやアフターコロナ期における地方への移住ニーズや社会経済活動の活性化を踏まえ、本市の認知度やイメージの向上を図り、移住・定住者の増加や関係人口の獲得につなげることを目的に、引き続き、専門事業者のノウハウを活用したシティプロモーション事業を推進することとしております。
 あわせて、県全域をカバーするFMラジオ放送において、本市のイベントや手厚い子育て支援制度を始め各種施策について、年間を通じ、本市の魅力を広く発信してまいりたいと考えております。

 次に、移住・定住対策についでであります。
 本年度で終了となる「住宅新築等補助金」、「分譲宅地開発助成金」、「中古住宅活用補助金」の制度を含め、これまでの「いばらぐらし支援メニュー」の6事業について見直しを行い、来年度から新たに「いばらLife(ライフ)スタート応援メニュー」として7本の事業を実施することとしております。
 また、空き家の有効活用を図るための「空き家バンク制度」の利用を引き続き促進し、本市の移住・定住に繋げてまいりたいと考えております。

 

 基本目標の3番目は「子育てしやすく、誰もが生きがいをもち、いきいきと暮らせるまちづくり」であります。

 まず、子育て支援についてであります。
 満18歳までの子ども医療費、保育園保育料及び給食副食費の無償化を継続し、子育て世帯の経済的負担の軽減に努めてまいります。
 また、私立保育園や放課後児童クラブに対し、「保育士等処遇改善臨時特例事業費補助金」を交付し、保育士や支援員などの処遇改善を図ることとしております。

 次に、健康づくりについてであります。
 健康づくりの推進につきましては、引き続き「総合検診事業」や「健康増進事業」を実施することとしております。
 予防接種事業におきましては、予防接種で得た免疫を、骨髄移植手術等の医療行為により消失した20歳未満の人が、再接種する場合に要する費用を市が助成し、経済的負担の軽減を図ることとしております。
 子どもと親の健康づくりの推進につきましては、引き続き妊婦・乳幼児健診事業等に取り組んでまいります。
 妊婦健康診査につきましては、多胎児を妊娠した妊婦に対する妊婦健診の助成を拡充し、経済的負担の軽減を図ることとしております。

 次に、地域医療体制の充実についてであります。
 井原市民病院において岡山大学のご協力のもと、新たに「周産期・小児救急医療学講座」を開設し、妊婦の健康診査及び妊産婦の分娩の安全性と利便性を保ちながら、また、小児救急における医療機関の役割分担について、研究を進めてまいります。

 次に、生活福祉についてであります。
 新型コロナウイルス感染症の影響を受けた一定の要件を満たす生活困窮世帯に対して、支援金を支給することとしております。

 次に、高齢者福祉についてであります。
 在宅福祉サービスの充実を図り、健康的な日常生活や住み慣れた家庭や地域での自立した生活のための支援を、継続して行うこととしております。

 障害者福祉につきましては、「井原市障害者福祉計画・障害福祉計画(第6期)及び障害児福祉計画(第2期)」に基づき、引き続き相談支援体制の充実や権利擁護の推進など、障害者福祉サービスの充実に努めてまいります。

 また、介護保険事業につきましては、令和3年度から3カ年を計画期間とする「第8期井原市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」に基づき、引き続き地域包括ケアシステムの構築と介護サービスの充実に努めてまいります。
 このほか、新たに、高齢者の介護予防に取り組むきっかけづくりと体操を行う習慣を養い、体力の維持・向上を図るため、「介護予防チャレンジ事業」を実施することとしております。

 

 基本目標の4番目は「安全・安心で、美しい自然と調和した、みんなが住みよさを実感できるまちづくり」であります。

 まず、環境対策についてであります。
 身近なごみ問題をはじめとして、エネルギーや自然環境といった地球環境問題に対する理解を深めた環境マイスターをはじめ、人材の確保と活用を図ることにより、活動交流会や子どもエコ体験教室を実施するなど、エコまち事業の推進に努めてまいります。

 次に防災についてであります。
 本市の国土強靱化に関する施策を総合的かつ計画的に推進する指針となる「井原市国土強靱化地域計画」が令和4年度をもって満了することから、次期計画の策定に向け取り組んでまいります。
 また、地域の防災意識や防災力の向上を図るため、引き続き地域の防災活動を担う自主防災組織への支援や地域の防災リーダーとなる防災士の育成に取り組むほか、本年度末に更新作業が完了する井原市防災マップを4月中に全戸配布することとしております。
 さらに、これまで井原リフレッシュ公園で実施していた総合防災訓練を見直し、より災害時に役立つ実践的な訓練を実施することとし、災害に強いまちづくりを推進してまいります。
 このほか、防災重点ため池において、地域防災意識の向上を図るため、引き続き「ため池ハザードマップ」の作成を進めると共に、転落事故等の防止のため、注意喚起の看板を作成してまいります。

 次に、森林の保全事業についてであります。
 新たに、森林経営管理法に基づき、経営管理が行われていない民有人工林の所有者に対し、今後の経営管理について意向確認を行うため、対象となる森林の把握を行うこととしております。

 次に、防犯についてであります。
 犯罪の起きにくい環境整備を行うため、引き続き自治会等による LED防犯灯の設置や青色防犯パトロール隊の活動用資機材の支援など、関係機関や地域の皆様と一体となった防犯活動を推進し、市民の防犯意識の高揚を図り、子どもたちや地域の安全を確保してまいります。

 次に消防関係では、井原地区消防組合への負担金のほか、非常備消防では、水害や火災時における消防団の相互通信を確保するとともに、応急対応の迅速化・効率化を図るため、無線整備を行うこととしております。
 なお、現在、井原市消防団では団幹部を中心に、消防団が今後も地域防災の要として存続していけるよう、団員の負担軽減と消防団の機能維持を両立させる消防団の在り方について、令和5年1月の団再編成に向け協議をされているところであります。
 市といたしても、引き続き助言や支援を行うほか、必要に応じ条例の改正等にも対応したいと考えております。

 次に、土木関係であります。
 青野町地内に新たに建設することとしている公共残土処分場の整備を引き続き進めるほか、道路・河川事業につきましては、市道の拡幅や危険箇所の排除など、優先順位を勘案しながら整備を推進するとともに、点検・修繕はもとより市道の草刈、側溝清掃など適切な維持管理に努めてまいります。
 また、道路新設改良事業につきましては、国の交付金事業を活用し、実施してまいります。
 さらに、橋梁につきましては、引き続き計画的に定期点検を行い、「橋梁長寿命化計画」に基づき橋梁修繕を行うこととしております。
 なお、広域交通網の整備促進に向け、市内の幹線道路となる国道や県道の未改良区間の改良と交通安全施設の整備につきまして、引き続き国や県へ強く要望してまいります。

 次に、上・下水道の整備についてであります。
 水道事業につきましては、安全・安心な水を安定的に供給するため、引き続き基幹施設および基幹管路の耐震化を推進するとともに、老朽した管路の更新や遠方監視装置の更新など、水道施設の計画的な整備を行ってまいります。
 下水道事業につきましては、快適な生活環境と公共用水域の水質保全のため、引き続き井原処理区及び芳井処理区において面整備を行うほか、調査・点検により改築が必要と診断された汚水管について、改築工事を行います。
 また、浄化センターでは、増加する流入汚水量に対応するため、令和4年度完成に向け水処理施設の増設工事を行うほか、汚泥処理施設の増設に着手することとしております。

 次に、情報通信基盤の整備と活用についてであります。
 本市が整備した芳井地区・美星地区・高屋北部地区の情報通信基盤施設につきましては、耐用年数の経過に伴い、光ケーブル化による再構築工事を令和2年度より令和5年度まで行う予定としており、設備全体の強靭化及び耐災害性の強化を図るとともに、地域住民の利便性の向上を図ってまいります。

 次に、公共交通についてであります。
 昨年2月に策定しました「井原市地域公共交通計画」の見直し基準に該当するバス路線等について、安心して暮らすための公共交通の確保という観点のもとで今年度見直しを進めてまいりました。
 財政面や地球環境への配慮といった考え方も取り入れながら、該当する地域のみなさまと意見交換会、説明会を重ねた結果を反映させながら、この4月から新しい公共交通として予約型乗合タクシーを導入することで準備を進めてきたところであります。その愛称につきましては、先日公募した愛称の中から、井原市公共交通会議で「あいあいカー」と決定されました。通院や買い物に公共交通が必要な方、また通勤通学などにもご利用いただき、永く親しまれていくことを願っております。

 

 これまで、基本目標に定める主要施策を申し述べましたが、このほか、計画実現のため2つの共通指針を定めております。

 1つ目の指針としまして「市民と行政が手を携えてまちづくりを進める」こととしております。
 まず、協働のまちづくりを進めるための「パートナーシップ・プロジェクト事業」では、コロナ禍の中で、各地区まちづくり協議会等において、感染対策を講じながら、市民主体のまちづくり事業を展開していただいております。
 市といたしましても、今後も、地域の活力づくりとなる人口増を目指した事業に対する「がんばる地域応援補助金」や、市民活動団体が企画・実施されるまちづくり事業等に対する「地域活性化補助金」を継続実施し、コロナ禍に負けない協働のまちづくりの更なる推進に努めてまいります。
 また、市立高等学校では、「学校運営協議会」を設置し、保護者や地域の方々が学校経営に参画することにより、目標やビジョンを共有し、社会総がかりで子どもたちの健全育成や学校運営の改善に取組むこととしております。

 2つ目の指針としまして「持続可能な行財政の仕組みづくりを進める」こととしております。
 まず、本市のまちづくりの指針である「井原市第7次総合計画 後期計画」についてであります。前期基本計画が令和4年度をもって満了することから、令和5年度から令和9年度までの5年間を期間とする後期計画の策定に着手しております。昨年11月に市民アンケート等を行い、現在、集計、分析を行っているところであり、この集計結果を基に、各種団体や公募委員で構成する「井原市まちづくり計画推進会議」により、策定を進めることとしております。

 次に、「第2期元気いばら まち・ひと・しごと創生総合戦略」の推進についてであります。
 「井原市第7次総合計画」の人口減少克服・地方創生施策に資する計画として、今年度から新たにスタートいたしました「第2期総合戦略」に掲げる、施策及び事業を引き続き推進し、井原市人口ビジョンの実現に向けて、着実な地域創生への取り組みを進めてまいります。

 次に、「井原市第6次情報化計画」の策定についてであります。
 「第5次情報化計画」が、令和4年度をもって満了することから、デジタル技術の活用による市民の利便性向上と行政の業務効率化を目指すため、国の進める「自治体Dx(デジタル・トランスフォーメーション)推進計画」等との整合性を図りながら、計画期間を令和5年度から令和9年度までとする新たな計画を策定することとしております。

 次に、市役所内のICT化の推進についてであります。
 本年度に整備したタブレット端末、ペーパーレス会議システム等を活用し、議会や市役所内における会議のペーパーレス化を推進することとしております。
 次に、先端技術を活用した業務効率化の推進についてであります。
 国の推進する働き方改革の実現を目指し、AIやRpaの技術を活用した事務作業の効率化など業務改善を進めていきます。人がパソコン上で行う定型業務をソフトウェアのロボットにより自動化するRpaについて、本市では令和2年度から給与管理業務など11業務に適用いたしました。来年度は、検診受診表データ入力業務などの4業務に適用することとし、年次的な拡大を図りながら、事務作業の効率化や市民サービスの向上を目指してまいります。

 以上、令和4年度における予算編成および主要施策についてご説明申し上げましたが、子供から高齢者まで市民一人一人が未来への夢と希望を持って、生き生きと輝いて暮らすことができる「元気な井原」の実現を目指し、諸施策に鋭意取り組んでまいりますので、議員各位並びに市民皆様のご理解とご協力をお願い申し上げる次第であります。

 

 次に、本市議会定例会におきましてご審議をお願いいたします諸議案につきまして、その概要をご説明申し上げたいと存じます。
 まず、予算案件についてであります。

 議案第1号は、「令和3年度井原市一般会計補正予算(第10号)」であります。
 今回の補正は、国の補正予算に伴うもののほか、県営工事負担金等の確定見込によるもの及びふるさと納税寄附額の増加に対応するものなどの経費を主体に所要の措置を講じたものです。また、年度内完了が見込めない事業について、繰越措置をお願いするものであります。その結果、補正額は、3億680万円で、補正後の予算総額は、252億6,230万円となった次第であり、財源としては、地方交付税、国庫支出金、地方債及びふるさと納税寄附金を充当し、財政調整基金からの繰入を減額いたしております。

 以下、歳出の主なものについて、ご説明申し上げます。
 総務費では、ふるさと納税事業の増額のほか、国の補正予算に伴う社会保障・税番号システム整備事業を計上しております。
 民生費では、国の制度に基づき保育士等処遇改善臨時特例事業費補助金、子育て世帯への臨時特別給付金(支援給付金)を計上いたしております。
 衛生費では、新型コロナウイルス感染症対策として、市内の小、中学校及び市立高等学校における感染防止対策事業を計上いたしております。
 農林水産業費では、広域農道井原芳井2期地区等の県営工事負担金を計上しております。
 土木費では、県道下御領井原線等の県営工事負担金のほか、国の補正に伴い、大規模盛土造成地第2次スクリーニング計画策定事業を計上いたしております。

 次に、議案第2号「令和3年度井原市民病院事業会計補正予算(第3号)」は、空調設備更新工事の仕様の変更による増額をお願いするものであります。

 次に、議案第3号から第16号までは、令和4年度予算についてであります。

 まず、議案第3号「令和4年度井原市一般会計予算」についてであります。歳出の概要につきましては先ほど申し上げておりますので、ここでは、歳入の概要について、ご説明申し上げます。
 自主財源の大宗を占める市税については、市内の企業の業績や個人所得の動向等が新型コロナウイルス感染拡大の影響から回復傾向にあり、法人・個人市民税あわせて前年度当初比2億5,140万円の増収を見込むほか、新増築家屋や新規設備投資の 増加等により固定資産税も増収が見込まれることから、市税全体で前年度当初比2億7,877万9千円、6月6日%増の45億2,658万7千円の収入見込額を計上しております。また、ふるさと納税寄附額の増加に伴い、ふるさと応援基金繰入金について、前年度当初比約7,560万円増の1億409万円を計上しております。
 一方、依存財源のうち地方交付税は、国の地方財政計画等に基づき前年度当初比で5億円増の77億円を見込んでおり、また、地方交付税の不足分を補う臨時財政対策債についても、国の試算に基づき6億2,640万円減の2億150万円を計上しております。その他、市債については、廃棄物処理施設整備負担事業等の減少により、前年度当初比7億4,180万円の減となっております。
 なお、収支の均衡を図るため、財政調整基金から8億9,658万余円の繰り入れを行うこととしております。
 その結果、自主財源は、79億4,514万円で歳入全体の34.5%、依存財源は150億9,986万円で65.5%となっております。

 次に、議案第4号から議案第8号までは、特別会計であります。

 国民健康保険事業では、42億7,720万円を計上しており、特定健康診査・特定保健指導や人間ドック等の実施を通じて医療費の抑制に努めるとともに、美星国保診療所の管理に係る経費を計上しています。
 後期高齢者医療事業では、後期高齢者広域連合納付金等に7億2,890万円を計上しており、新たに「高齢者の保健事業と介護予防事業の一体的な実施」に係る準備に要する経費を計上し、令和6年度からのスタートに向けて、準備を進めることとしております。
 介護保険事業につきましては、56億6,890万円を計上しており、保険給付や地域支援事業を行うこととしております。
 産業団地開発事業では、稲倉産業団地の造成工事が令和3年度で完了し、来年度早々にオカモト株式会社に土地を引き渡すこととしており、その売払収入と県補助金収入の8億5,000万円を一般会計に繰り入れることとしております。
 美星地区畑地かんがい給水事業では、施設の維持管理経費に、2,190万円を計上しております。

 次に、議案第9号から議案第13号までは、企業会計であります。
 水道事業につきましては、水道施設の耐震化事業や遠方監視装置更新事業等に要する経費を計上しております。
 病院事業では、引き続き新型コロナウイルス感染症による影響を受ける可能性がありますが、2階病棟を一般病棟として活用していくことを想定しております。看護師の認定看護師資格取得等の長期研修を支援する経費、地域の中核病院としての機能強化のための医療機器購入経費を計上しております。
 工業用水道事業につきましては、維持管理経費を計上しております。
 簡易水道事業では、中央簡易水道の配水管新設工事を実施するほか、5地区の簡易水道施設の維持管理に要する経費を計上しております。
 下水道事業では、井原地区においては東江原町及び西江原町地内の、芳井地区においては西吉井地内の面整備に伴う経費のほか、浄化センターの水処理施設及び汚泥処理施設の増設の外、ストックマネジメント計画の策定及び改築業務に係る経費を計上しております。

 次に、議案第14号から議案第16号までは、美星地区の3つの財産区で、それぞれ管理運営に要する経費を計上しております。

 次に、条例案件についてであります。
 議案第17号「井原市個人情報保護条例の一部を改正する条例について」は、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律の廃止に伴う所要の改正をするものであります。
 議案第18号「井原市職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例について」は、非常勤職員の育児休業等の取得要件の緩和及び育児休業を取得しやすい勤務環境の整備に関する措置を講じるため、所要の改正をするものであります。
 議案第19号「井原市非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例について」は、学校運営協議会委員の報酬等を定めるものであります。
 議案第20号「井原市国民健康保険税条例の一部を改正する条例について」は、地方税法施行令の一部改正に伴う所要の改正をするものであります。
 議案第21号「創真創業支援基金条例について」は、創業者の支援を行い、雇用の創出及び地域経済の成長発展を図るため基金を設置するものであります。
 議案第22号「井原市営住宅条例の一部を改正する条例について」は、市営住宅の用途廃止に伴う所要の改正をするものであります。
 議案第23号「井原市空家等対策の推進に関する条例について」は、空家等に関する施策の推進に関し必要な事項を定めるものであります。


 次に、事件案件についてであります。
 議案第24号「岡山県西部衛生施設組合規約の変更について」は、岡山県西部衛生施設組合の共同処理する事務に「広域連携拠点施設の設置、管理及び運営に関する事務」を追加するため、規約の一部を変更するものであります。
 議案第25号「井原市特別養護老人ホーム「星の郷」の指定管理者の指定について」は、井原市特別養護老人ホーム「星の郷」の指定管理者を指定するものであります。
 議案第26号「工事請負契約の変更について」は、地域情報通信基盤設備再構築工事に係るものであります。
 議案第27号「市道路線の認定及び変更について」は、道路法第8条第2項及び第10条第3項の規定により、市道路線を認定し、及び変更するものであります。

 次に、人事案件であります。
 議案第28号「教育委員会教育長の任命につき同意を求めることについて」は、本市教育委員会教育長の任期満了に伴い、後任の教育長の任命につき議会の同意を求めるものであります。

 以上が今回提案いたしております議案の概要でありますが、詳細につきましては、いずれ日程に上がりました都度、私なり関係職員からご説明申し上げたいと思います。

 さて、この機会に若干のご報告を申し上げます。
 まず、新型コロナウイルス感染症についてであります。
 命と健康を守るため、最前線の現場で感染症に対応いただいております医療・福祉関係者の皆様、そして市民の皆様・各事業者の皆様のご理解、ご協力に対し、改めて心から感謝申し上げます。
 さて、国内、岡山県内では、年始より感染力の強いオミクロン株の流行により、爆発的に感染者が増加し、本市でも感染状況は極めて厳しい状態となり、1月27日には、岡山県全域を対象に今月20日まで「まん延防止等重点措置」が適用されました。この間、新規感染者の数が高い水準で推移していることや、医療提供体制のひっ迫が懸念されることから、適用期間は3月6日まで延長されたところであります。
 市民の皆様、事業者の皆様には、市内での感染拡大や、クラスターの発生を防止するため、引き続き、基本的な感染防止対策の徹底に努めていただきますようお願いいたします。
 また、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種につきましては、現在、井原医師会のご協力のもと、3回目のワクチン接種を実施し、感染症の発生及びまん延防止に努めているところであります。お手元に接種券が届きましたら、ワクチンの接種を行っていただきますよう、重ねてお願いいたします。

 最後に、岡山県西部衛生施設組合において、高屋町野々迫地区内に建設が進められております井笠広域一般廃棄物埋立処分場につきましては、順調に工事が進められており、3月中には完成し、4月からは供用開始される予定と伺っております。

 以上が今回提案いたしております議案の概要等でありますが、詳細につきましては、いずれ日程に上がりました都度、私なり関係職員からご説明申し上げたいと思います。

 また、それぞれの議案につきましては、慎重にご審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げまして、提案説明とさせていただきます。


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