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市議会市長提案説明(令和5年2月市議会定例会)

ページID:0002372 更新日:2024年2月28日更新 印刷ページ表示

令和5年2月27日(月曜日)

令和5年2月市議会定例会市長提案説明要旨

令和5年2月市議会定例会市長提案説明要旨の画像
 2月も最後の週となり、このところ、厳しい寒さも和らぎ、日ごと春めいてまいりました。

 さて、本日2月市議会定例会をお願いいたしましたところ、議員の皆様方にはご多用の中、ご出席を賜り、厚く御礼を申し上げます。

 本市議会定例会におきましてご審議をお願いいたします案件は、既にご案内をいたしておりますが、議案の説明に先立ち、市政運営の基本方針と主要施策の大綱につきまして、私の所信の一端を申し述べ、議員並びに市民各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 

 まず、令和5年度当初予算の編成概要であります。

 本市の令和5年度予算案につきましては、厳しい財政環境や社会情勢の中にあっても、「井原市第7次総合計画 後期基本計画」のスタートの年となることから、将来を見据えて、「新たな視点・発想」や「多様な主体との協働」により、だれもが主役で活躍できる、しあわせが実感できる「元気なまちづくり」の推進と、「持続可能な財政運営」の確立を図ることを基本に予算編成を行ったところであります。

 特に、「井原市第7次総合計画 後期基本計画」のスタートにあたり、【ひと】・【経済】・【安心】・【夢・誇り】といった重点取組に沿い、各種施策等を着実かつ積極的に展開することとしております。

 

 まず、「ひとづくり」においては、本市の未来を担う「井原”志”民(こころざしのたみ)」「井原”志”民(しみん)」の育成に向けて、大学や企業等とも積極的な連携を図り、「ふるさと井原の未来を創るひとづくり事業」を中心とした関連施策を多角的に展開するとともに、この度リニューアルオープンする「平櫛田中美術館」の活用と全国へのPRに努めるなど、郷土愛の醸成や教育・文化の充実を図ることとしております。

 

 次に、「経済・地場産業活性化」では、「高月工業団地」において新たな企業用地の造成に着手するほか、ものづくりのまち井原の承継や新たな雇用・賑わいの創出に向けて「元気いばら商工業成長支援事業」等を積極的に展開するとともに、本市の強みを活かした「農産物の産地化支援」や「ふるさと納税制度」を活用した地場産業振興・地域活性化等を図ることとしております。

 さらには、「安心して生活できる環境づくり」として、新たに「障害者就労支援事業」等に取り組むほか、引き続き、本市独自の「出産・子育て支援策」を展開し、福祉・子育て支援の充実を図るとともに、脱炭素・省エネの取組として、新たに「暮らし向上スマートエネルギー導入補助金」「省エネリフォーム補助金」を創設するほか、「公共施設の照明LED化」を行うこととしております。

 また、「夢や誇りがもてる魅力創出」に向けては、「星空保護区」を活かした官民一体の取組を強力に推進し観光振興を図るため、新たに「地域活性化起業人」を配置するとともに、「芳井地区の賑わい創出拠点の整備」の事業化に着手するほか、「新体操のまち いばら」の推進に向けた環境整備を行うなど、市民や多様な主体と連携し、ふるさといばらの魅力づくりに努めることとしております。

 その結果、一般会計当初予算額は、大規模事業の完了や基金積立金等の特殊要因の影響もあり、前年度当初比8.9%減の209億9,700万円となっております。

 また、特別会計は、国民健康保険事業など5会計で108億9,490万円、企業会計は、水道事業と簡易水道事業の経営統合により簡易水道事業会計を廃止し、計4会計で、89億468万8千円となり、合計で予算総額は、407億9,658万8千円となったところであります。

 

 それでは、施策の基本方針につきまして、井原市第7次総合計画に定める4つの基本目標に基づき、順次申し述べてみたいと思います。

 基本目標の初めは「伝統、文化が引き継がれ、郷土を愛する人が育まれるまちづくり」であります。

 

 まず、学校教育についてであります。

 今年度より、井原市立高等学校におきまして、コミュニティ・スクールを導入いたしました。来年度以降は、小中学校におきましても段階的にコミュニティ・スクールを導入していきたいと考えております。この取り組みにより保護者や地域住民の方々の参画による、地域の実情に即した学校運営教育の推進を図ってまいります。

 

 また、子どもたちの豊かな心の育成や学力の向上のため、いばらっ子伸びる学力支援事業等を引き続き実施するとともに、市内全中学校に、新たにデジタル採点システムを導入し、採点・集計の効率化及びデータ化を図り、クラスの問題点等の把握や、データの蓄積により生徒の理解度を明らかにするなど、教員から生徒への指導の質の向上につなげてまいります。

 更には、平成28年度に導入した校務支援システムの更新を行い、導入以降蓄積したデータを有効に活用することにより、児童生徒の成績処理、指導要録、成長の記録、通知表の作成などにおいて機能向上を図り、小中学校の教師の事務負担軽減に繋げてまいります。

 

 次に、学校施設関係についてであります。

 急速に老朽化が進む学校施設の維持管理につきましては、「井原市学校施設長寿命化計画」に基づき、外壁塗装・屋上防水や、屋内運動場屋根防水等の改修を進めてまいります。

 新館建設工事のため休館しておりました「平櫛田中美術館」は、年度内に所蔵作品の戻し入れとあわせて田中苑の遊歩道の新設やバリアフリー化のための改修を進めておりますが、4月18日にいよいよリニューアルオープンいたします。1年を通して様々なイベントを開催し、盛り上げていきたいと考えております。まずは、オープン初日から所蔵名品展「平櫛田中美術館の精華」を実施いたします。こちらは、テーマを変えながら3回実施いたします。

 また、リニューアルオープン後最初の特別展となります、第30回平櫛田中賞展「棚田康司(たなだこうじ)展」を秋に実施いたします。上野桜木アトリエや倉敷芸術科学大学との連携によるワークショップを開催するなど、その魅力をこの機に全国へ強力に発信し、新たな交流促進や市民の郷土愛の醸成等に資することとしております。

 文化活動の充実につきましては、雪舟の業績を顕彰し、雪舟を通した構成市と情報交換や交流を図る雪舟サミットを井原市で開催します。また、歴史的な町並みをはじめ地域の特色ある文化遺産を情報発信することにより地域住民の意識の向上を図り、文化遺産を活かしたまちづくりの推進を図ります。

 また、スポーツ活動の充実につきましては、本年度策定する「井原市スポーツ推進計画第3期」に基づきスポーツによるひとづくり、まちづくりを進めるため、見直しを行った市民体育祭の実施や各種スポーツ大会・スポーツ 教室を開催いたします。また、男子新体操フロアマットの更新、県立井原高校南校地跡地の活用、井原体育館の空調導入に向けた調査など気軽にスポーツに親しむことができる環境づくりや競技スポーツの振興に努めてまいります。

 

 次に、昨年11月に、冨士ベークライト株式会社から受けました寄附金の活用方法についてであります。寄附者の意向に沿い、井原を担う学生の就学に係る資金を支援する事業に充てることとしておりまして、寄附金の用途を明確化し運用するため、寄附者の名前を冠とした「冨士奨学基金」を設置し、奨学のための事業の財源としたいと考えております。具体的な事業内容につきましては、本定例会に関連議案を提出しておりますので、ご審議の程よろしくお願いいたします。

 

 基本目標の2番目は「地域の宝を生かし、魅力がいっぱいで、活力にあふれるまちづくり」であります。

 

 まず、「経済・雇用対策事業」についてであります。

 新型コロナウイルス感染症の影響、ウクライナ情勢、さらには、世界的な木材需要の高まりなど、様々な要因により、多くを輸入に頼っている建築資材は、高騰している状況であります。同時に、電気、ガスなどの重要なインフラに係る料金も高騰しており、このことから市内の個人住宅及び事業所における省エネ性能を有するリフォームに関する工事へ補助金を交付することにより市内の住環境及び事業環境の維持向上を促し、光熱水費の軽減を通して消費活動及び事業活動の後押しを行うことで、地域経済の維持・活性化を図ってまいりたいと考えております。

 

 次に、企業立地に向けた取り組みについてであります。

 既にレディーメイドで造成しておりました四季が丘団地企業用地及び稲倉産業団地において、また、民間事業用地開発では、山王地区において企業の立地が進んでいるところであります。

 こうした中、タツモ株式会社から、工場集約のための 土地を確保できないかとの相談を受けました。このことは、新たな雇用の場の創出や安定的な財源の確保につながるなど、本市の発展に資するものであり、市が主体的に取り組むべきものと判断し、オーダーメイド方式で高月工業 団地を拡張し企業用地を造成することといたしました。つきましては、新年度予算に関係予算を提出しておりますので、ご審議いただきますようお願いいたします。

 

 次に、「井原町における中心市街地の活性化」についてであります。

 本市の中心市街地である井原町の商店街には歴史的な建造物が数多く残存しており、その町並みの保存と活用について考える「備中町並みゼミ井原大会」が昨年12月17日に開催されたところであります。また、本年2月9日には中国経済産業局と共催により、「地域創生に向けたまちづくりセミナー」を開催し、まちづくりに関する意識の向上と一体感の醸成を図ったところであります。当該地区には本市が誇る観光資源の一つである小田川や桜堤もあり、新町商店街も含め、商業、観光、文化など、さまざまな側面から本地域の活性化に向けた新たな計画づくりについて、今後、関係者や地域住民とともに検討してまいりたいと考えております。

 

 次に、計画性をもって新規創業を行う者を支援する「ものづくりのまち井原創業支援奨励金」についてであります。本奨励金は本市出身である川上眞澄氏が代表取締役を務められている創真株式会社からの2億円の寄附金を活用したものであり、令和4年度は2件の応募がありました。昨年12月に外部審査員8名による審査会が開催されましたが、残念ながら令和4年度の認定候補者の決定には至りませんでした。新年度の募集につきましては、引き続き本奨励金の周知に努めるとともに、審査員の方々から 要件の一部緩和のご意見をいただいていることから、寄附者を含めた関係者と協議を行いながら新規創業の実現に向けて検討を重ねてまいりたいと考えております。

 

 次に、農林業の振興についてであります。

 ぶどう、明治ごんぼう、薬用作物のシャクヤクなど、本市特産農産物の産地化を進め、安定した生産量の確保及び品質の向上を図るため、現在、実施しております農業支援事業を「いばら農産物産地化支援メニュー」として整理し、第7次総合計画後期基本計画の期間中に重点的に取り組み、さらなる農業振興や産地の維持に努めてまいります。

 さらに、本市の将来の地域農業を担う人材の確保・育成を図るため、農業後継者就農奨励金交付事業をはじめ、農業次世代人材投資事業、農業実務研修事業など、新規就農者への財政的支援を継続いたします。

 有害鳥獣対策につきましては、被害防止計画の推進を図るとともに、有害鳥獣被害対策の専門家による現地指導及び講習会の実施により、被害軽減や駆除班による捕獲効率を上げる取り組みを引き続き実施することとしております。

 そのほか、捕獲柵、防護柵の設置や新規狩猟免許取得に対する助成など、有害鳥獣対策を行う人への支援につきましても、継続して実施してまいります。

 農業用施設につきましては、防災重点ため池において、地域防災意識の向上を図ることを目的として、引き続き「ため池ハザードマップ」の作成を進めるとともに、転落事故防止等の注意喚起看板を設置してまいります。

 また、地域再生計画に基づき、芳井町池谷地内及び川相地内の林道2路線において継続して整備を実施することとしており、今後も農業用施設の維持管理に努め、農林業の生産性の向上を図るための基盤整備についても、積極的に行ってまいります。

 

 次に、観光の振興についてであります。

 コロナ禍の中、開催中止が続いておりました井原市観光協会主催の各種行事につきましては、アフターコロナを見据えて新たなスタイルへの転換が図られており、桜の開花期間中には、新たな試みとして、市内で開催される中小規模のイベントをつなぎ、観光客を回遊させる「いばら桜フェスタ」が開催されると伺っております。

 井原市が誇る井原堤の桜とともに、ゆったりと各種イベントを回ることで、春の訪れを存分に満喫していただきたいと思っております。

 また、新たな取組としまして、民間企業等の専門人材を「地域活性化起業人」として一定期間受け入れ、新たな 視点や発想力・人脈・ノウハウ等の活用により、本市の観光交流人口の増加や関係人口の創出につなげてまいることとしております。

 さらには、全国でホテルチェーンを展開する事業者の本市への進出の動きに伴い、本市宿泊施設(ホテル・旅館)整備促進事業の活用を予定されていることから、このたび債務負担行為を行うこととしております。

 

 次に、本市の魅力発信についてであります。

 本市の認知度やイメージの向上を図るために、今年度から3年間、シティプロモーションに取り組んでいるところであり、特にふるさと納税額においては、順調にその額を伸ばしてきているところであります。

 

 次に、移住・定住対策についでであります。

 移住定住の促進を目的とし事業を展開している「いばらLIFEスタート応援メニュー」につきましては、新たに市内事業所等への就職を機に転入し、アパート住まいを始める方への支援として「就職者等移住支援補助金」を組み入れ、8事業で展開していくこととしております。

 

 基本目標の3番目は「子育てしやすく、誰もが生きがいをもち、いきいきと暮らせるまちづくり」であります。

 

 まず、子育て支援についてであります。

 満18歳までの子ども医療費、保育園保育料及び給食 副食費の無償化を継続することにより、子育て世帯の経済的な負担軽減に努めてまいります。

 

 次に、健康づくりについてであります。

 健康づくりの推進につきましては、引き続き「総合検診事業」や「健康増進事業」を実施することとしております。

 母子衛生につきましては、新たに、低所得世帯の方に初回産科受診料を助成し、経済的に不安を抱える妊婦の方の負担軽減を図ることとしております。

 また、引き続き妊娠期から出産・子育てにかかる切れ目のない伴走型の相談支援を充実することとしており、各家庭のニーズに対応した必要な支援につなぐとともに、出産・子育て応援給付金交付事業により、安心して出産・子育てができるよう経済的支援を行うこととしております。

 

 次に、地域医療体制の充実についてであります。

 井原市民病院において岡山大学のご協力のもと「周産期・小児救急医療学講座」を開設し、昨年11月から医師の派遣を受け、妊娠初期から概ね妊娠32週までの妊婦健診が受けられるようになりました。その後の妊娠後期健診や分娩、また緊急時の対応は、分娩施設がある医療機関と連携を行うことで、分娩の安全性と妊婦の皆さんの利便性が保てる環境を整えたところであります。

 また、市民の方々から要望の強い救急医療につきましても、医師派遣を受けて小児から高齢者までの幅広い年代の救急医療に対応できる体制の強化に努めているところであります。

 

 次に、高齢者福祉についてであります。

 在宅福祉サービスの充実を図り、健康的な日常生活や住み慣れた家庭や地域での自立した生活のための支援を、継続して行うこととしております。

 障害者福祉につきましては、新たに「障害者就労支援員」を配置し、就労意欲のある障害者が、意思と能力を発揮して働くことができるよう、関係機関と連携を密にし、障害者が活躍できる場の促進を図ってまいります。

 また、介護保険事業につきましては、令和3年度から3カ年を計画期間とする「第8期井原市高齢者保健福祉 計画・介護保険事業計画」に基づき、引き続き地域包括ケアシステムの構築と介護サービスの充実に努めてまいります。

 このほか、高齢者が地域の身近な場所で、自ら取り組む介護予防体操である「ぼっけぇ元気体操」の普及・継続を支える「市民サポーター」の養成に、新たに取り組むこととしております。

 また、令和4年度から実施しております「介護予防チャレンジ事業」を引き続き実施し、高齢者の介護予防に取り組むきっかけづくりと体操を行う習慣を養い、体力の維持・向上を図ってまいります。

 

 基本目標の4番目は「安全・安心で、美しい自然と調和した、みんなが住みよさを実感できるまちづくり」であります。

 

 まず、環境対策についてであります。

 身近なごみ問題をはじめ、エネルギーや自然環境といった地球環境問題に対する理解を深めた環境マイスターをはじめとした人材の活用を図ることにより、活動交流会や子どもエコ教室を実施するなど、エコまち事業の推進に努めてまいります。

 また、市民のクリーンエネルギー利用の普及促進を図るため、「住宅用太陽光発電システム等設置費補助金」の名称を「暮らし向上スマートエネルギー導入補助金」に改め、従来の補助対象品目である太陽光発電システム、定置型蓄電池及び太陽熱温水器に加え、電気自動車等など新たに5品目を補助対象品目として追加することにより、地球規模での環境保全及び環境問題に関する市民意識の高揚を図り、環境にやさしいまちづくりの推進に努めてまいりたいと考えております。

 

 次に防災についてであります。

 近年、災害の発生は頻発化また激甚化しており、いつ起こるかわからない災害に対し、その被害を最小限にとどめるための取組の継続が必要であり、本年度末に改訂いたします「井原市国土強靱化地域計画」に基づき、本市の強靱化に関する各種施策を総合的かつ計画的に推進してまいります。

 また、地域の防災意識や防災力の向上を図るため、引き続き地域の防災活動を担う自主防災組織への支援や地域の防災リーダーとなる防災士の育成に取り組むほか、より災害時に役立つ実践的な訓練を継続することとし、災害に強いまちづくりを推進してまいります。

 

 次に、国民保護についてであります。

 本市では、国民保護法に基づき、武力攻撃事態等から住民の生命や財産を保護することを目的として、平成19年3月に「井原市国民保護計画」を策定しているところであります。

 この計画の内容につきまして、関係する国等のシステムの反映や本市の組織体制の強化を図るため、次年度において計画の改訂に取り組むこととしております。

 

 次に、森林の保全事業についてであります。

 多くの交流人口が見込まれる経ケ丸周辺において、危険木の伐採などを行い、利用者の安全と、円滑な交通の確保を行うとともに、森林及び施設の適正な管理につなげることとしております。

 また、新たに、里山整備事業として、生活環境に近い里山において、自治会等が行う森林環境の保護・保全を目的とした伐採等の業務について、委託された事業者に対し補助金を交付する事業を実施し、森林が持つ、多面的機能の維持に取り組むこととしております。

 

 次に、防犯についてであります。

 犯罪の起きにくい環境整備を行うため、引き続き自治会等によるLED防犯灯の設置や青色防犯パトロール隊の活動用資機材の支援など、関係機関や地域の皆様と一体となった防犯活動を推進し、市民の防犯意識の高揚を図り、子どもたちや地域の安全を確保してまいります。

 

 次に消防についてであります。

 井原地区消防組合への分担金のほか、非常備消防では、令和5年1月からの消防団条例の改正による年額報酬や出動報酬などを支給するとともに、安全装備品の配備を進めることにより、団員の処遇改善や活動時における安全確保を図ることとしております。

 

 次に、土木関係であります。

 芳井地域の住民等からの要望も踏まえ、芳井町内の幹線道路沿いに新たな「賑わい創出拠点の整備」を行うための調査、検討、計画策定等に着手するほか、道路事業につきましては、市道の拡幅や危険箇所の排除など、優先順位を勘案しながら整備を推進するとともに、点検・修繕はもとより市道の草刈、側溝清掃など適切な維持管理に努めてまいります。

 また、河川事業につきましては、河川や下水路の浚渫・整備、芳井地区における「排水ポンプ場」の整備等を進めることとしております。

 道路新設改良事業につきましては、国の交付金事業を活用し、実施してまいります。

 さらに、橋梁につきましては、引き続き計画的に定期 点検を行い、「橋梁長寿命化計画」に基づき橋梁修繕を行うこととしております。

 なお、広域交通網の整備促進に向け、市内の幹線道路となる国道や県道の未改良区間の改良と交通安全施設の 整備につきまして、引き続き国や県へ強く要望してまいります。

 

 次に、上・下水道の整備についてであります。

 水道事業につきましては、安全で良質な水を今後も安定的に供給するため、引き続き基幹管路や基幹施設の耐震化を図るなど水道施設の計画的な整備を行ってまいります。

 下水道事業につきましては、快適な生活環境と公共用水域の水質保全のため、引き続き井原処理区及び芳井処理区において面整備を行ってまいります。

 また、浄化センターでは令和5年度完成に向け汚泥処理施設の増設工事を行うほか、老朽した施設の健全化・長寿命化を計画的に行ってまいります。

 

 次に、情報通信基盤の整備と活用についてであります。

 本市が整備した芳井地区・美星地区・高屋北部地区の情報通信基盤施設につきましては、耐用年数の経過に伴い、光ケーブル化による再構築工事を令和2年度より令和5年度までの4年間で行う予定としており、設備全体の強靭化及び耐災害性の強化を図るとともに、地域住民の利便性の向上を図ってまいります。

 また、付近に住宅がなく既存の情報通信基盤設備から離れているため現時点で光接続していない事業所等に対して接続を推進し、設備を有効活用していただくため、光ケーブル延長事業を行うこととしております。

 

 次に、公共交通についてであります。

 現在運行している公共交通である、予約型乗合タクシーの運行委託やバス事業者への補助を行うとともに、移動手段を持たない方のために、効率的で利便性が高く、利用者のニーズに対応した公共交通体系の維持再編に引き続き努めてまいります。

 また、井原線耐震補強工事実施計画がまとめられ、令和5年度から9年度にかけて、県、沿線市町が応分の費用負担をしながら順次高架橋等の耐震化が進められます。

 なお、鉄道井原線につきましては、令和6年1月11日に開業25周年を迎えます。井原鉄道、岡山県及び関係市町と協力・連携し25周年を祝い、引き続きマイレール意識の高揚と利用促進に結びつけてまいりたいと考えております。

 

 これまで、基本目標に定める主要施策を申し述べましたが、このほか、計画実現のため4つの共通指針を定めております。

 1つ目の指針としまして「共生社会いばらの実現を進める」こととしております。

 

 まず、性別を問わずお互いを人生のパートナーとして日常生活において協力し合うこと、また、家族として愛情を持って子を養育することを約束した関係であることを市へ届け出、市がその届け出を受理したことを証明する「井原市パートナーシップ・ファミリーシップ制度」を 令和5年4月1日からスタートさせ、市民一人ひとりが、性的指向及び性自認に関わらず、ありのままの自分を表現して自分らしく生きることができる社会をつくります。

 また、令和3年度から令和8年度までの6年間を計画期間とする男女共同参画プラン・DV防止被害者支援計画の中間アンケート調査を実施いたします。

 

 2つ目の指針としまして「市民と行政が手を携えてまちづくりを進める」こととしております。

 

 本市では、平成23年度から協働のまちづくりに取り 組んでおり、これからも市民と行政が連携し事業を進めていくため、従来の「パートナーシップ・プロジェクト事業」から「協働のまちづくり事業」に名称を変更し、これまでの取組を見直し、新たにまちづくり支援員を配置し、各地区のまちづくり計画の策定などを支援してまいりたいと考えております。

また、令和5年5月27日には、市制施行70周年記念式典を開催いたします。市民参画の視点から、外部委員で構成する市制施行70周年記念事業検討委員会により 行事を検討いただいておりまして、式典では、功労者への表彰、記念動画の上映、中高生が企画するアトラクションなどを予定しております。このほか、記念事業といたしましては、「市の鳥」の制定や、子ども議会の開催なども予定しております。

 

 3つ目の指針としまして「多様な主体との連携によるまちづくりを進める」こととしております。

 

 近隣自治体、企業や大学などと様々な分野で民間等のノウハウを活用し、積極的な連携事業を展開することで、市民サービスの向上と地域社会の活性化を図ってまいりたいと考えております。具体を申し上げますと、井原市観光協会や民間団体等が実施する観光イベントへの補助であるとか、美星地区特有の光害に配慮した屋外照明の 制作企業、天文関係者、美星町観光協会等の関係団体との連携による、環境面での啓発パンフレットの作成であるとか、新たに福山市と共同して水質管理の実施、倉敷市及び福山市と連携した「デニムの産地」の首都圏PRなどを実施いたします。また、岡山理科大学と市内事業所による「コーオプ教育」の推進にも取り組んでまいりたいと考えております。

 

 最後に4つ目の指針としまして「持続可能な行財政の仕組みづくりを進める」こととしております。

 

 業務のDXなどを積極的に推進し、より付加価値の高い業務に労力をかけられる体制の整備のほか、内部事務統合システムの構築、仮想基盤の更新、行政情報配信システムの更新、LoGoチャットの導入など電子自治体推進事業に取り組んでまいります。

 また、行政改革及び公共施設マネジメントを推進し、補助金の見直しや公共施設の適正配置の検討など、事業の選択と集中を図り、事業の重点化や財政運営のスリム化に取り組みコストの縮減につなげてまいると共に、引き続き、マイナンバーカードの普及促進や行政手続のオンライン化、AI・RPAの利用促進に努めてまいります。

 

 以上、令和5年度における予算編成および主要施策についてご説明申し上げましたが、「だれもが主役で活躍できる元気な地域づくり」「しあわせを実感できるまちづくり」の実現を目指し、諸施策に鋭意取り組んでまいりますので、議員各位並びに市民皆様のご理解とご協力をお願い申し上げる次第であります。

 

 次に、本市議会定例会におきましてご審議をお願いいたします諸議案につきまして、その概要をご説明申し上げたいと存じます。

 

 まず、予算案件についてであります。

 議案第2号は、「令和4年度井原市一般会計補正予算(第8号)」であります。

 今回の補正は、国の第2号補正予算に伴うもののほか、ふるさと納税寄附額の増加への対応及び寄附受納に伴うもの、その他、県営工事負担金等の確定見込に伴うものなどの経費を主体に所要の措置を講じたものです。

 また、年度内完了が見込めない事業について、繰越措置をお願いするものであります。

 その結果、補正額は、4億1,340万8千円で、補正後の予算総額は、257億8,100万円となった次第であり、財源としては、国庫支出金、寄附金、市債及び普通交付税等を充当し、財政調整基金からの繰入を減額いたしております。

 

 以下、歳出の主なものについて、ご説明申し上げます。

 総務費では、ふるさと納税事業の増額などを計上しております。

 衛生費では、国の補正予算に伴う小・中学校及び市立高校の感染防止対策事業などを計上いたしております。

 農林水産業費では、広域農道井原芳井2期地区の県営工事負担金を計上しております。

 土木費では、国の交付金を活用した道路新設改良事業を計上いたしております。

 教育費では、国の補正予算に伴う大江小学校の屋内運動場改修事業のほか、寄附受納に伴う冨士奨学基金積立金を計上いたしております。

 議案第3号の「令和4年度井原市国民健康保険事業特別会計補正予算(第1号)」は、国民健康保険事業財政調整基金の積立金を計上しております。

 議案第4号の「令和4年度井原市美星地区畑地かんがい給水事業特別会計補正予算(第4号)」については、光熱水費の増額及び給水使用料の減収に伴うものであります。

 

 次に、議案第5号から第17号までは、令和5年度予算についてであります。

 まず、議案第5号「令和5年度井原市一般会計予算」についてでありますが、歳出の概要につきましては先ほど申し上げておりますので、ここでは、歳入の概要について、ご説明申し上げます。

 自主財源の大宗を占める市税については、地価の下落や経済・国際情勢等を踏まえた新規設備投資の見合わせ等の影響により、固定資産税が減少となるものの、個人所得の動向が新型コロナウイルス感染症の影響から回復傾向にあり、個人市民税の増収が見込まれることから、市税全体で前年度当初比約2千万円増の45億4,665万1千円を計上しております。また、ふるさと納税寄附額の増加に伴い、ふるさと応援基金繰入金については、約1億5千万円増の2億6,101万1千円を計上しております。

 一方、依存財源のうち地方交付税は、国の地方財政計画等に基づき1億2千万円減の75億8千万円を見込んでおります。また、市債については、大規模事業の完了等により、10億3,190万円の大幅減となっております。

 なお、収支の均衡を図るため、財政調整基金から9億8,560万円の繰り入れを行うこととしております。

 その結果、自主財源は、72億1,860万円で、歳入全体の34.4%、依存財源は、137億7,840万円で、65.6%となっております。

 

 次に、議案第6号から議案第10号までは、特別会計であります。

 国民健康保険事業では、43億3,360万円を計上しており、特定健康診査、特定保健指導、人間ドックの実施や、新たにAIを活用した受診勧奨事業の導入を通じて医療費の抑制に努めるとともに、美星国保診療所の管理に係る経費を計上しております。

 後期高齢者医療事業では、後期高齢者広域連合納付金等に6億8,800万円を計上しております。

 介護保険事業につきましては、57億1,130万円を計上しており、保険給付や地域支援事業を行うこととしております。

 産業団地開発事業では、高月工業団地内の企業用地の拡張を行うため、オーダーメイド方式による用地造成を行う経費に1億3,000万円を計上しております。

 美星地区畑地かんがい給水事業では、施設の維持管理経費に、3,200万円を計上しております。

 

 次に、議案第11号から議案第14号までは、企業会計であります。

 水道事業につきましては、新年度から簡易水道事業と会計を統合することとしており、収入面では料金改定による増収を見込むとともに、支出面では水道施設の耐震化事業や遠方監視装置更新事業等に要する経費を計上しております。

 病院事業では、新型コロナウイルス感染症の感染法上の扱いが変更となりますが、病院として適切な病床活用を行い、医業収入の確保に努めます。

 また、看護師の認定看護師資格取得の長期研修を支援する経費、地域の中核病院として診療の質の維持向上を図るため、医療機器購入経費を計上しております。

 工業用水道事業につきましては、維持管理経費を計上しております。

 下水道事業では、井原地区においては、七日市町及び東江原町地内の面整備、芳井地区においては西吉井地内の面整備に要する経費のほか、浄化センターの汚泥処理施設の増設、老朽したガスタンクの改築に係る経費を計上しております。

 

 次に、議案第15号から議案第17号までは、美星地区の3つの財産区で、それぞれ管理運営に要する経費を計上しております。

 

 次に、条例案件についてであります。

 議案第18号「井原市国民健康保険事業財政調整基金条例について」は、井原市国民健康保険事業の健全な財政運営に資するため、基金を設置するものであります。

 議案第19号「井原市国民健康保険条例の一部を改正する条例について」は、健康保険法施行令の一部改正に準じて、国民健康保険の被保険者に係る出産育児一時金の額を改正するものであります。

 議案第20号「井原市墓地等の経営の許可等に関する条例の一部を改正する条例について」は、宅地造成等規制法の一部改正に伴い、所要の改正をするものであります。

 議案第21号「井原市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例について」は、国が定めた基準の一部改正に伴い、所要の改正をするものであります。

 議案第22号「井原市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例について」は、国が定めた基準の一部改正に伴い、所要の改正をするものであります。

 議案第23号「井原市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例について」は、国が定めた基準の一部改正に伴い、所要の改正をするものであります。

 議案第24号「井原市高原(たかわら)農村型リゾート宿泊施設条例を廃止する条例について」は、井原市高原農村型リゾート宿泊施設を閉鎖することに伴い、条例を廃止するものであります。

 議案第25号「井原市美星星空農園条例の一部を改正する条例について」は、附帯施設の撤去に伴い、所要の改正をするものであります。

 議案第26号「井原市営住宅条例の一部を改正する条例について」は、市営住宅の用途廃止に伴い、所要の改正をするものであります。

 議案第27号「井原市住宅供給条例の一部を改正する条例について」は、市有住宅を入居者に譲渡したため、所要の改正をするものであります。

 議案第28号「冨士奨学基金条例について」は、大学等進学に係る学資又は就学上必要な資金に関する支援をすることにより、地域で活躍する人材の確保及び地域の活性化に資するため、基金を設置するものであります。

 議案第29号「井原市奨学資金貸付条例の一部を改正する条例について」は、冨士奨学基金を活用し、大学卒業後に市内に居住するなどの返還の特例要件に該当する者の返還金を全額免除するため、所要の改正をするものであります。

 議案第30号「井原市公民館条例の一部を改正する条例について」は、井原市美星公民館の建替えに伴い、公民館の使用料の額等について所要の改正をするものであります。

 議案第31号「井原市教育集会所の設置等に関する条例を廃止する条例について」は、井原市教育集会所花野会館を地元自治会に譲渡するため、条例を廃止するものであります。

 

 次に、事件案件についてであります。

 議案第32号「字の区域の変更について」は、市道法城(ほうじょう)線の道路用地の確定に伴い、字の区域を変更するものであります。

 議案第33号「井原市過疎地域持続的発展市町村計画(令和3年度~令和7年度)の変更について」は、過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法に基づき、井原市過疎地域持続的発展市町村計画を変更するものであります。

 議案第34号「訴えの提起について」は、普通財産の明け渡し等に係る訴えを提起するため、議会の議決を求めるものであります。

 議案第35号「市道路線の認定、廃止及び変更について」は、道路法第8条第2項及び第10条第3項の規定により、市道路線を認定し、廃止し、及び変更するものであります。

 

 次に、人事案件であります。

 議案第36号「人権擁護委員候補者の推薦について」は、人権擁護委員の任期満了に伴う後任候補者の推薦について、岡山地方法務局長から依頼があったため、議会の意見を求めるものであります。

 議案第37号「固定資産評価審査委員会委員の選任につき同意を求めることについて」は、固定資産評価審査委員会委員の任期満了に伴う後任委員の選任について議会の同意を求めるものであります。

 

 以上が今回提案いたしております議案の概要等でありますが、この機会に新型コロナウイルス感染症についてご報告を申し上げます。

 

 昨年11月以降、爆発的な感染拡大となりました第8波がようやく減少傾向となり、政府の対策本部は、新型コロナウイルス感染症の感染法上の位置づけを、5月8日に、今の「2類相当」から、季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行する方針を決定いたしております。

 位置づけの変更に伴い、今後は、患者等への対応や医療提供体制、基本的な感染対策、ワクチン接種など、各種の施策や措置の見直しが行われていくものと思われます。

 しかしながら、新型コロナウイルス感染症が終息したわけではございません。市民の皆様には、感染状況等を踏まえて、個人の判断により基本的な感染防止対策に取り組んでいただきますよう、よろしくお願いいたします。

 これまで最前線で感染症対策に対応いただいております、医療・福祉・介護関係者の皆様、そして市民の皆様、各事業者の皆様のご理解、ご協力に、改めて心から感謝申し上げますとともに、引き続きよろしくお願いいたします。

 

 以上が報告事項であります。

 なお、詳細につきましては、いずれ日程に上がりました都度、私なり関係職員からご説明申し上げたいと思います。

 それぞれの議案につきましては、慎重にご審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げまして、提案説明とさせていただきます。


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