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結核・呼吸器感染症予防週間(9月24日~30日)
結核・呼吸器感染症予防週間とは
厚生労働省では、毎年9月24日から30日までを「結核予防週間」と定め、結核に関する正しい知識の普及啓発を行ってきました。近年、新型コロナウイルス感染症をはじめとする呼吸器感染症による脅威が世界的な重要課題であることから、令和6年度より「結核・呼吸器感染症予防週間」として、結核予防週間の対象を呼吸器感染症へ広げることになりました。空気感染によって広がる呼吸器感染症はパンデミックを起こしやすい感染症であり、今後も繰り返されることが予想されますので、正しい知識を身につけ、予防と早期発見に努めましょう。
結核とはどんな病気?
結核は、呼吸器感染症のひとつで、昔のものと思われがちです。しかし、今でも世界で毎年100万人以上が命を落としており、慢性的なパンデミックがつづいています。日本では、2024年の1年で10,051人の方が、新しく患者として登録されています。
結核とは、結核菌という細菌によって、主に肺に炎症が起きる病気です。
結核は、人から人にうつる感染症です。
最初は風邪に似た症状で始まりますが、下記のいずれかにあてはまる場合は早めに受診しましょう。
・2週間以上続く咳・痰・微熱・だるさ
※上記の他、体重減少・食欲不振・寝汗にも注意が必要です。
→高齢の人は、このような症状が出ないことがあります。出なくても毎年、胸部X線検査を受けましょう。
結核は感染するのか?
- 咳やくしゃみなどの空気感染によりうつります。菌をだしている肺結核患者の咳やくしゃみの「しぶき」にのって、菌が空気中に飛び散り、周囲のヒトが直接吸い込んで肺の奥深くに入り込むことで感染します。
- 結核に感染してもすべての人が発病するわけではありません。健康であれば、免疫力により結核菌の増殖が抑えられ、休眠状態になります。
※乳幼児は、急速に発病する場合があります。
※免疫力が弱まると結核菌が復活し発病することがあります。
※感染しても発病していない人は、潜在性結核感染症として、6か月間薬を服用することで発病を予防します。
結核は予防できるの?
早期発見は、本人の重症化を防ぐためだけでなく、大切な家族や職場などへの感染を防ぐためにも重要です。症状がなくても、定期的に検診を受けましょう。
【健康的な生活が予防につながります】
- 適切な運動
- 十分な睡眠
- バランスの良い食事
- タバコを吸わない
- 定期的な健診で早期発見
※抵抗力の弱い赤ちゃんは、結核に感染すると重症になりやすいです。予防にはBCG接種が有効です。
→1歳までに接種しましょう。
※糖尿病、じん不全の人、人工透析をしている人、喫煙週間がある人、ステロイドホルモンなど免疫抑制剤を使っている人などは結核を発病させやすくします。
→気になる症状がある場合は、早めに主治医に相談しましょう。
結核は治せるの?
結核と診断されても、複数の薬を6~9か月間毎日きちんと飲めば治るようになってきました。しかし、症状が消えたからといって、治療の途中で服薬を止めてしまうと完全に治りきらず、菌が抵抗力をつけ薬が効かない耐性菌になることがあります。指示通りの服薬を守りましょう。
呼吸器感染症とはどんな病気?
新型コロナウイルス感染症や季節性インフルエンザ、RSウイルス感染症、細菌性肺炎などがあります。呼吸器感染症の多くは、感染した人が咳やくしゃみをすることで飛んだ病原体を含む飛沫を吸い込むことで感染します。病原体(感染症の原因となる生き物)に汚染されたものを触り、病原体を手などにつけたまま口や鼻に触って感染することもあります。
呼吸器感染症は予防できるの?
呼吸器感染症対策の基本は、「換気」「手洗い」「手指消毒」などの基本的な感染対策が有効です。また、感染予防としてマスクの着用が効果的です。感染を拡げないために、咳やくしゃみをするときにはマスク、ティッシュ、ハンカチ、袖などで鼻と口を覆いましょう。
新型コロナウイルス感染症、季節性インフルエンザ、肺炎球菌感染症のワクチンについては、症状が重くなりやすい高齢の方や一定の基礎疾患(持病)のある方を対象に定期接種を実施しています。
関連リンク
公益財団法人結核予防会<外部リンク>
厚生労働省<外部リンク>
2025厚生労働省リーフレット [PDFファイル/242KB]