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養老
- 養老(ようろう)
- 1968年(昭和43年)
- 木彫
元正天皇(在位715年~724年)の時代に、美濃国(現在の岐阜県南部)に不思議なききめのある泉が湧いたという噂を聞きつけ、勅使がその養老の滝を訪れました。そこで出会ったきこりの親子に、その養老の名のいわれを尋ねると、父親がこう答えました。ある日息子がこの水を飲んだところたちまち精気がみなぎり、疲れがとれたので、家に持ち帰り私たちに飲ませて孝行してくれた、という話でした。
この作品と同型の1作目は、昭和元年頃のもので、この頃二人の子供を失っていた田中は、なんとかして救いたかったという思いを、このきこりに重ねて制作したのではないでしょうか。