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第21回平櫛田中賞受賞記念「籔内佐斗司展」

更新日:2024年2月28日更新 印刷ページ表示

過去の特別展

第21回平櫛田中賞受賞記念「籔内佐斗司展」

会期

2003年10月3日~11月24日

内容

 「平櫛田中賞」は、井原市が生んだ近代木彫界の巨匠・平櫛田中(1872―1979)が百寿の際、彫刻界の発展を願い、自らの浄財の寄付によって設けられました。

 第21回の受賞者である籔内佐斗司氏は、1953年、大阪市に生まれました。1978年、東京芸術大学美術学部彫刻科卒業、1980年同学大学院美術研究科を修了し、1982年から1987年までは、同学大学院美術研究科保存修復技術研究室助手をつとめ、仏像や古美術の古典技法と修復技術の研究をとおして、寄せ木造りや漆、彩色などの古典技法を学んでいます。

 籔内氏の作品は多彩です。童子をモティーフにしたものは、「七歳までは神のうち」という表現があるように、神性を込めた存在として表現されています。この世のすべての存在と作用の背後に潜むエネルギーの象徴そのものである、としています。そして、そのエネルギーを受ける器の部分が「鎧」の作品です。籔内氏は、肉体をこの世で生命がまとっている鎧のようなものだと考えており、それを表現するために、頭部と体を別々に作り、絹の紐などで結わえています。

 また、彫刻を公共の場に設置し、誰でも見て触ることのできるものを制作しています。日本という風土が生んだ精神世界に触れる造形物を大切にしています。個性尊重の近代主義に反して、大切なのは社会性の重視であり、作品が現代社会の中でどんな存在意義を持つかである、と籔内氏はいいます。それが子どもの情操教育にもつながってくることであり、子どもたちが体で体験できる空間を作ることを目指しています。

 籔内氏は、作品を自分一人で完成させることは出来ないといいます。見る人、生活の中に活用してくれる人がいて、初めて完成するのであり、魂を込めるのは、彫刻を生活の場で使っていただく人である、といいます。

 この展覧会では、彩色木彫を中心に代表作約60点を展示しました。童子、仏像、犬など作品は実に様々ですが、いずれも伝統的な木彫技法を巧みに用いて、ユーモアたっぷりに描かれている魅力あふれる芸術を紹介しました。

主な出品作品

  • 「諸厄退散塞の坊」
  • 「吉備童子と鬼の目にも泪」
  • 「守銭童子」
  • 「大空蝉童子」
  • 「お祈りの童女]
  • 「福禄寿童子」
  • 「大当たり童子」
  • 「犬モ歩ケバ」
  • 「女の鎧-おつまみ」
  • 「ふぇいすぱふぉまんす」など

配布されたチラシ

チラシ表チラシ裏

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